#2  全力拒否

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薄着で飛び出してはフェロモンをまき散らす。走ると股から垂れた液体で濡れた足が風で冷やされ、熱をはらむ身体には冷たく感じた。 公園目がけて走っていくと道を行く番無きαが飛びかかってくる。 自分よりも背の高い学生服の高校生らしいαオスに腕をつかまれ地面に引き倒された。 砂地に身体が擦れて痛い。 可愛らしい顔立ちなのに、上気して目がイっちゃってる。俺を見ているようで見ていない。こいつは何を見ているんだ。 高校生は震える手で、俺からズボン、下着をはぎ取ると、股を舐めだし、液でしたたる蜜壺を指でくちゃくちゃかき回した。 俺は気持ちが良すぎて、蕩けてしまって腰から下に力がはいらなくて動けない。 「ひぃ、あっ、あっ、あっ――」 舌の刺激や入ってきた指のもたらす快楽に酔いしれ愛液でびしょびしょになっていた。 高校生は自らもズボンを脱ぎ、性器を取り出した。 ヒートに当てられているのか、高校生の性器は赤黒くて先端が膨らみ、でかい。すでに我慢汁で濡れて光っている。 俺は初めてのはずなのにアレが中に入った時の気持ち良さを知っているみたいで、性器を前にうっとりと舌なめずりをしていた。 足をつかまれ、ぬぷりと先が俺の奥に触れたとたん、ガツンとすごい音がして、高校生が引き剥がされた。 殴られて放り投げられたらしい。 性器を立てたままひっくり返って動かない。 聖人だ。目の前に、聖人がいた。 「あんたは何やってるんですか!」 俺の腕をつかみ上げて引きずり上げた。 抑制剤を飲んでいる聖人や家人は大丈夫そうだが、それでも顔は上気している。 「こんなホイホイみたいなこと、もう止めませんか?」 俺は目の前のごちそうが取り上げられたのと、ばつが悪くてうなだれていた。 股が腫れ上がってじんじんと疼いて痛い。せつなくてたまらない。 「こいつも挑発されて、可哀想です」 下腹部を露出させたまま気絶している高校生を指し示していう。 「あんたがやってるのは、フェロモンを使ったようなテロみたいなもんですよ。人を強姦魔にして犯罪者にするんですか? 他人の人生狂わせて楽しいですか?」 俺は濡れる目で聖人を睨みつけた。 息は荒いし、下腹部は疼いて痛む。 汁が足元に垂れて液だまりが出来ているのがわかるくらいだ。むっとする生臭さが辺りに渦巻いている。 俺は聖人に抱いて欲しかった。 聖人が抱いてくれないなら、誰でも同じだ。 顔が上気している。少しの快楽を得た身体がもっと、もっと、と欲深く舌なめずりしている。 満たされなくて切なくてつらい。自分が淫乱すぎてつらい。 泣きそうになりながら、俺は震える手で聖人が渡す水と薬を受け取り喉に流しこんだ。
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