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土曜日の保護者参観。
ほかの児童の親は来ていたのに、うちの親は来なかった。
いや、正しくは来させないようにしていた。
与志君のお母さんは若くてきれいだった。晴海のお母さんもきちんとした服で来ていた。
どうしてうちの母さんはちゃんとしてくれないんだろう。
「お帰り」
家に帰ると母さんは胸元が大きく開いたてろてろした素地の緑色のワンピースを着ていた。
さっきまで寝ていたのか長めの髪が乱れていた。
縦に筋張った喉元。
ポツポツとシミが浮いた白い肌。目元は大分くぼんでいたけど大きくてはっきりした目をしていた。若い頃はきれいだったんだろうと思う。
でも学校の保護者会にきていたら浮いていただろう。
年齢と服装で。その様子が目に浮かんだ。
「お昼それを食べて。出かけてくるから。冷蔵庫におやつ入ってるから」
机の上に載ったおにぎり。具はおかか又は梅干しだ。
与志君と広場で待ち合わせてから家に遊びにいくので急いで食べた。
冷蔵庫のおやつは多分、牛乳とフルーツソースを混ぜたら固まるやつだ。
僕はそれが大好きだったので嬉しくなった。
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