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僕には兄姉が4人いた。一番上の兄、上の姉、もう一人の下の姉。
兄は外国で結婚して暮らしていた。上の姉も結婚して子どもがいた。
この家にも時々遊びにくる4歳のかわいい男の子だ。
下の姉は可愛らしい容姿をしていて、
もうすでに本人が望まなくても異性の影がちらついていた。
この社会には男女という性以外にα、β、Ωという性があり、その性別によって所属する階層の選択に影響を受ける。
αは優秀でエリートに多い。Ωは発情期に左右され職種が限定された。
βは社会の大半を構成する人たちだ。
うちの母親はΩだった。
番という固定パートナーを持たず子どもを4人持った。
正確には上の二人は元番の子で、途中で番が解消されたのか、それ以降は番なしで子どもをもうけた。それが僕と下の姉だった。
兄も姉二人もΩだ。
長兄と長姉は容姿の整った人たちで相手のαに強く望まれて結婚していた。
下の姉も時期がきたらαに望まれてパートナーになっていくのだろう。
家族の中で僕一人がまだ第二次性徴を迎えておらず、第二の性は未確定だった。
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