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母親は一人で子どもを育てた。
国から住宅が支給されており、子ども一人ごとに手当が出るのでその手当と、母の短期の仕事などで生計を立てていたようだった。
学校の友達の家と違う暮らし。
古びた家。友達に家にあるゲーム機がない。家族で旅行にいかない。服は兄姉のお古。
これが当たり前だと思っていたから、なんとも思わなかった。学校に母がくるとクラスメイトからなんだかんだ言われてしまうのでそれだけが嫌だと思っていた。
僕は宿題をちゃんとやり、言いつけを守り、友達と遊び、日々の生活を多少の制約がありながらも、それなりに明るく気楽に過ごしていた。
でも、ある日それは終わりを告げた。
姉にヒートが来たのだ。
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