#2  全力拒否

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高校からは外部に出ると聖人と決めていた。 二度とあんな事がないよう、自分が何をしているのか、それをするとどうなるのか、そんな当たり前のことを判断出来る生徒が大半であるという(聖人談)聖人の母校を受験することにした。 よりによって入試の朝。 身体が熱いような気がして目が覚めた。 悪い夢でも見たあとのように胸が異様にどきどきしている。 じっとりと寝汗をかいていたらしく、パジャマも汗でびっしょり濡れていた。 受験の緊張からの悪夢かと思っていた。 半身を起こすと、ますます体が熱くなってくる。異様に喉が渇いていた。 股の奥がじんじんとして、ずきずきと脈をうっている。性器も立ち上がり先走りで下着の前が濡れていた。 俺は何が起きているのかわからなかった。この興奮を静めようと性器を擦り立てた。 触れる性器は、いつもよりも敏感に感じる。先端に指が触れる度にびりびりと電気が走り、刺激が強過ぎて長いこと触っていられない。まるでイってもいないのにイった後のような過敏さだ。 堪えながら擦り立て精液を吐き出した。 出すもの出したら落ちつくはずなのに、全然すっきりしない。身体は熱いし、顔は火照ったままだ。 股のあたりがジュクジュクと濡れてきている。股の間がきゅうきゅうと中でうねって切なくて、何かで、埋めて、欲しい……。 もしかして、もしかして、これはヨーロッパ文庫でよく見かける、お股がじゅんじゅんしちゃう♡っていうやつか。そうか。でも、思っていたよりも、かなり身体が辛い。これが悪名高いヒート……。 ふらつく身体でナイトテーブルの引き出しを漁って、急いで事前に処方をしてもらっていた抑制剤を飲む。10分ほどベッドでおとなしくしていると身体の火照りは引いてきた。 この抑制剤の効果持続時間は約8時間。今は朝の6時前。14時には切れてしまう。 昼休憩に追加の抑制剤を飲まないとそれ以降はフェロモンがだだ漏れだ。
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