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「また、こうして皆さんと旅が出来るなんて…私、とても幸せですわ!」
「ジネットさんには本当にお世話になりました。
なんとお礼を言えば良いのやら…」
「ジネット、本当にありがとう!
あんたがいてくれなかったら、どうなっていたか…」
「いえ、私なんて…
私は何も出来ず、ただ、レヴさんのそばにいただけですから…」
「いや、それだけでも助かったんだよ。
あんたがいてくれなかったら、レヴを置いてここを離れることなんて出来なかったからね。」
「サリーさん…」
一時はぎくしゃくしていたサリーとジネットの仲が、いつの間に和やかな関係になっている様子に、レヴやヴェールも安堵した。
「では、そろそろでかけましょうか。」
「レヴさん、今度はどこへ向かうのですか?」
ジネットはレヴに問いかけた。
「……実は、親戚の家に少し用が出来まして…
その間、ジネットさんにはまた少しだけ寂しい想いをさせてしまうかもしれませんが、どうか許して下さい。」
「ご親戚に何か…?」
「あぁ…ちょっとね…」
サリーは苦笑いを浮かべながら言葉を濁した。
ジネットには申し訳ないと思いながらも、彼らに本当のことは言えない。
三人は端から西の森に行くことを決めていた。
森の民に会い、そして、病で亡くなったネリーの墓に花を手向けるために…
その間、ジネットにはいつものように近くの町で待っていてもらうことになった。
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