生きた証

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 そう思っていたときに、茹でていた麺が再沸騰した。慌てて、鍋の中をかき混ぜる。袋に入っていた調味料を器に入れてから、茹で上がった麺をこぼさないように慎重に盛り付けた。 「おまたせ」  盆に乗せたラーメンを持って行くと、逸郎は「ありがとう」の言葉もなくラーメンに口を付ける。この先、この人との未来はこのまま続いていくんだろうか。そんな陰鬱な考えがよぎる。 「なんだよ」  私がじっと逸郎を見ていることを不審に思ったらしい。 「私達、別れよっか」  唐突に、しかしはっきりと言葉にした。  逸郎はラーメンを食べる手を止めた。  私をチラリと一瞥すると、残りの麺を食べ終え。何も言わないまま私の部屋を出て行った。  話し合いすらないのかと自嘲気味に笑った。所詮、その程度の関係だったのだ。  別れたことを早苗にLINEで送ってみた。その返事は、「明日の仕事終わりにまた会おう」だった。
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