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引越し(春×白井) ※R18
あれから、俺と春は晴れて恋人同士になった。匠海との思い出に囲まれた部屋から抜け出したくて、俺はあの後すぐに引っ越しの準備をした。
不動産業界で働いておきながら、どこが家賃が安くて暮らしやすいかなど、全く頭に入っていない。結局、春と協力して調べた結果、井の頭線沿いに引っ越す事になった。
「やっと落ち着きましたね〜」
1日かけて、やっと片付けが終わった。春はソファーに寄りかかり、ぐでっとしている。俺は「そだねー」と彼の肩にもたれ、俺の服と同じ柔軟剤の香りを吸い込む。その香りは脳内まで甘くさせた。
春は俺の手を握り、「雅樹さん」と名前を呼んだ。
「何?」
その呼び方に未だに慣れず、少しこそばゆい。
「呼んでみただけです」
春はけろっとした調子で答えた。それが何だか可愛くて、俺は触れるだけのキスをした。彼はいつもそれに応えてくれる。
色んな角度から何度も唇を重ねていると、当然身体が反応してしまう。…本当はもっとしたい事はたくさんある。
流石に男同士のセックスとか、同性愛者ではない春からしたら、引くだろうな。それに、彼はまだ未成年だ。自分なんかが彼を汚してしまっていいのだろうか。性的な事は何度もしてきた癖に恋愛経験が少ない俺は、あれこれ考えてしまい、なかなか踏み出せずにいた。
「雅樹さん…大丈夫ですか?」
俺は無意識に思いつめた顔をしていたようだ。春は顔を近づけ、俺をじっと見つめている。直近で見ると、彼は本当に整った顔立ちをしている。
「…そんなにくっついたら、襲っちゃうよ」
「え?」
「あ、いや…冗談だよ」
咄嗟に出てしまった本音を、平然を装いながら訂正する。春は「なーんだ」と少し残念そうにしている。
「冗談…じゃなくてもいいんですよ?」
春は耳の下まで伸びた髪を弄りながら、一瞬俺の目を見て逸らした。
「へ?」
「もっと雅樹さんを感じたいです…」
その一言で、抑えていたものがプツンと切れたように、俺は彼に抱きついた。
「嫌だったら言ってね…」
そして、寝室に移動して続きを始める。一緒に銭湯に行った事もあるし、裸を見るのは初めてではない筈なのに、これからセックスをするのだと思うと話は別だ。
春のそれは既に大きくピンと張っている。元々ゲイではない彼が、男の俺なんかに感じてくれるのは嬉しい事だ。
俺は春をベッドに押し倒し、唇に吸い付いた。必然的に互いの性器が当たる。熱を帯びた先走りがドロドロと絡み合い、互いに腰を動かす。
「んっ…はぁ…ぁ…」
舌を絡めて歯列をなぞっているうちに、だんだん余裕がなくなってくる。今は攻めに徹している俺だったが、そんな事を忘れて喘ぎながら快楽を求めた。
「雅樹さんっ…僕が上になってもいいですか…?」
春は身体を起こし、俺をベッドに倒す。彼の表情は、獲物を狙うように本能に満ちている。そして俺の両腕を強く抑え、噛み付くようにキスをした。
「んぁ…ぁあっ…ふ…」
普段は物腰柔らかな彼からは想像できないような荒々しい口付けに、俺は我を忘れて身を預ける。未成年に犯されているという事実に興奮してしまい、さっきよりも身体が反応してしまう。
春は俺の胸に顔を埋め、敏感なところを優しく舐めたり強くつねったりしてくる。
「あっ…んんっ…はぁ…ぁ…」
強く弄られるほど愛おしさが増し、もっと乱暴にして欲しいと思ってしまう。俺は変態だ…
「雅樹さん…入れたい…」
春は息を漏らし、首筋に吸い付いた。
「いいよ…」
俺はローションで自ら入り口を慣らす。
「僕にやらせてください」
春は俺の両足を押さえるように開く。俺は「恥ずかしいよ…」と抵抗するが力に敵わず、彼の前で開脚する体勢になってしまった。
春の指は透明のローションが反射して、いやらしく光る。少しずつ奥に入っていき、その俺はゆっくりと息を吐く。
「ん…はぁ…あっ…そこ…きもち…い……んんっ…ぁあっ…!…あっ…」
「ここですか…?」
彼はグリグリと俺の中を弄り、一番感じやすい場所を指の腹で何度も刺激した。あまりの気持ち良さに、更なる快楽を求めるだけだ。
「ほしい…春の…入れて……?」
俺は春の身体に跨り、自ら彼の硬くて熱を帯びたそれを中に押し込んだ。
「あっ…雅樹さんっ…」
俺の名前を呼ぶその表情は、性に目覚めたばかりの少年みたいだ。純粋な彼を犯しているのだと思うと、余計に感情が高ぶる。
「はぁ…ぁ…んんっ…ぅ…」
キスをしながら腰をくねらせたり、抜き差しの動作を繰り返して、絶頂に達してしまった。俺は彼の腹の上に白濁を溢す。
春も俺の中に欲望を注ぎ込んだ。ドクドクと脈打つ彼の熱を、俺は最後まで堪能した。
行為が終わり、俺と春はしばらく寄り添い、触れるだけの口付けを何度も交わした。
「雅樹さんって…意外と声出るんですね」
行為中の俺の様子を言及する春は、意地悪く笑みを浮かべる。彼は意外とSっ気があるのかもしれない。
俺は「え、そんな事ないよ…」と即答する。とはいえ、少し声を出し過ぎてしまっただろうか…思い出すだけで恥ずかしくなってくる。
そして、5時のチャイムが鳴るのとほぼ同じタイミングで、腹が鳴った。
「お腹空きましたよね〜…今日は買い出ししてないので、何か食べに行きますか?この辺のお店開拓してみたいですし」
春の提案に俺はいつものように「そだねー」と返事をし、出かける準備を始めた。
今日からまた春との日常が始まる。嬉しい事も辛い事も、全部彼と共有したい。
…絶対に離れないよ。
俺は心の中でそう言い聞かせながら、彼の隣を歩いた。
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