縁結びの神の工数が足りません!神柱補充を頼んだら、アフロディーテさんがやってきました。

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「ハァイ!アナタがクルマザキのヨリナリサン?あら、結構カワイイ顔じゃない。オネーサンが、頑張って助けてアゲル」  応援に現れた女神に、頼業は言葉を失った。確かに猫の手でも借りたい。この際、外つ国でも構わない。  しかし……この、妖艶で豊満な、やたら明るい美女は、本当に神なのか。しかも1600年近く暇を持て余していたというなら、人々に信仰されていたのは、更にその前。自分よりも1000年近く先輩ということになる。 「よ、よろしくお願いします。あの……貴女は……」 「ワタクシは、アフロディーテ。ヨロシクね」  そう言ってアフロディーテは、妖艶な流し目をウィンクし、キスを投げた。  任せて大丈夫だろうかと不安に思った頼業だが、すぐに考えを改めることとなった。  古代ギリシャの女神は、瞬く間に溜まりに溜まった縁結びの案件を片付けていった。  わずかな手掛かりから祈願者の好みを見抜き、同じ様に出会いを求める祈願者の中に該当者がいれば、二人の出会いをセッティングし、そうでなれば、めぼしい相手を探し、さり気なく出会わせる。  特定の相手を求める祈願者には、相手に脈があれば背中を押し、脈が無ければ別の相手へと誘導する。  (いにしえ)に信仰が失われたとはいえ、愛と美貌の女神の実力は、確かなものであった。
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