縁結びの神の工数が足りません!神柱補充を頼んだら、アフロディーテさんがやってきました。

4/13
前へ
/13ページ
次へ
「ハア?何この男性(ひと)!?ヨリナリに頼むより、先にヤルベキコトがあるデショウ」  突如、アフロディーテが素っ頓狂な叫び声を上げた。 「どうされましたか?」 「ヨリナリ、見てヨ。この、ケンジ・ハシモト。結婚したいっていうワリに、自分デハ何もドリョクしてないのヨ」  それは、橋本賢治という男性の願いだった。  大手企業に務める技術職のサラリーマンで、年齢は33歳。性格は真面目で消極的だが、結婚相手としては、申し分無い。しかし……ほとんど人前に出ない仕事だからか、服装には無頓着で、体型も少々どころかかなり太い。  服装はともかく、そういった体型の男性を好む女性がいないわけではないが、少数派だ。  ヒトの好意など、第一印象でほとんどが決まる。いくら見た目ではなく中身が重要と言っても、最低限の見た目をクリアしなければ、そもそも中身を見てもらえないのだ。 「ワタクシの時代、ふくよかさは富の象徴としてモテハヤサレマシタ。でも、今はそうではないデショ。それに、ふくよかさにも限度と美学がアリマス。ココは、ワタクシが根性を鍛え直してサシアゲマスわ」  アフロディーテは憤ったまま、姿を消した。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加