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異変
「…ん?」
高校二年の冬、いつも通り郵便受けに入っている父の手紙を見て、何か不自然に思いました。
いや、特にいつもと変わりのない封筒なのです。
でも何かが、違う。
それは封を開けてから明瞭なものに変わりました。
...字が、震えている?
そうです。宛名の「娘へ」の文字がいつものような力強い字ではなかったからでした。
それは毎年手紙を見ている私でやっと分かるような、ほんの少しの変化でした。
クスッと笑ってしまいました。
もしかして今頃、寒い国にいるのかも。寒さで凍えて字が震えてるのでしょう。
最後の行に、『体調には気をつけて』なんて。
お父さんの方が心配でした。
「お父さんにホットコーヒーでも送っておいた方がいいかもよ」、なんてお母さんに言っておこうかなと思ってしまいました。
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