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【むす め へ
十九の 誕生日、おめでと う。
すっかり オト な に近づ いて しまっ た ね
髪は 長い の かな。短 い かな、
どち ら
でも ステ キ だろう ね。
おとう さんは、 むすめ に 会いたいです
十九 に なる むすめに。
父】
「…会いに来てよ、お父さん」
歳を重ねるたびに歪んでいく父の字が、自分に重なりました。歳を重ねるごとに夢が歪む。想いが歪む。
大切な事をぐしゃぐしゃにしている様な、そんな気分でした。
母に、また手紙の事を相談する事はありませんでした。同じような反応をされては、私が困ると分かっていたからです。
宝物箱には、十九の父からの手紙がかさばりました。
「来年で、二十枚…」
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