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CYCLE HIT
雨が降っている。
昼時であればここも人通りはあるが、この冷たい雨と深い闇が人払いとなるだろう。
俺はそれを道端に置く。
できるだけ丁寧に、或いは何処ぞの儀式かのように。
それが地面と触れ合うと重い金属音を響かせた。
明らかに質量よりも膨大な重さを孕んでいる。
手を離すと名残惜しさを指先に感じたが、再び手に取ることなどは決してしない。
俺は俺の信念に基づいて事を成すのみ。
―男の姿は闇夜に紛れ、そこには落し物だけが黒い光を発していた。
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