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「お前さんこそ、何か勘違いをしているのではないか?
俺たちは昨年軍の通信を傍受した……残存部隊は各先任者の指揮の元各個に戦闘を継続せよと言うことだった。
つまりは軍の指揮系統は崩壊したということだ。
俺達は……軍の束縛から解放されたのだ。」
その言葉に岩見は言った。
「繰り返して言う、軍の指揮は崩壊しようともその命令は絶対だ……我々は最後の最後まで命に従うのみである。」
「ほざけ、堅物が!」
相手の首魁はそう言うと、片手を挙げた。
そのしぐさに同調するかのように傍らにいた賊が岩見に向かって銃の引き金を引いた……。
しかし、銃弾は岩見には届かなかった、銃弾は岩見の手前で何かに遮られるかのようにポトポトと地面に落下していった。
「電磁シールドか……しかし、それは……。」
賊の首魁がそう言った瞬間、首魁は眉間に銃弾を浴び後ろに倒れ伏した。
それを見た賊の仲間は、一瞬狼狽えた……。
そこを岩見の放つ銃弾が捕らえた。
賊の残りも岩見の放つ自動小銃の餌食となり、逃げだしたものは岩見が追い付いてレーザーブレードと拳銃で止めを刺した。
賊も抵抗したが、岩見の身体を覆う電磁シールドはその抵抗を無効にした……。
岩見は棺のふたを叩くと優しい声で言った。
「全て終わった……。」
中から少女が蓋を開けて外へ出ると、何体かの死体が転がっていた。
岩見は言った。
「神の名を騙った、愚か者達の末期です……。」
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