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「深層心理というか……内面的なイメージです」
「ふーん。じゃあ、これにしよ」
値段やサイズもよく確認せずに購入ボタンを押そうとする戸川の手を、塩見が慌ててとめる。
「ダメですよ。ネットショッピングは、ちゃんとサイズとか配送方法とか確認しないと」
「えー、めんどくさい。シオちゃんやってよ」
「……ベッドのサイズは?」
「キング」
「あー、ほらダメじゃないですか。これシングルだから」
キングサイズのベッドに少し引っ掛かりを感じるものの、戸川の身長を考えたら例えひとりで寝るにしてもキングが妥当だろうと、塩見は自分を納得させる。
「何枚買いますか?」
「2枚。あと、かけ布団用のも同じやつで」
「枕カバーは?」
「あー……ちょっとサイズがわかんねぇな」
「僕のより大きいですか?」
そう聞かれ、戸川は腕を伸ばしひょいと塩見の枕を手に取る。
「そうだな。これよりは大きいかも」
「じゃあ、一番大きいサイズに……って、なにしてるんですか!」
塩見の枕を抱えこみ戸川が顔を埋めている。
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