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 翌日。 「ほんとにこれで大丈夫ですか?」  迎えに来た戸川に、塩見が不安気に聞いてくる。 「大丈夫だって。ドレスコードはスマートカジュアルなんだから、ネクタイなんかしたら逆に浮くよ?」  塩見が着ているのは紺地にチェック柄のスリーピースで、インナーはボタンのあるシャツではなく白のカットソーだ。  対する戸川は、爽やかなストライプのシャツに濃紺のベストとパンツ、それからベージュのテーラードジャケットを羽織り、ポケットからはチェックのハンカチーフを覗かせている。  仕事用のスーツとも普段着とも違う、戸川のスマートなスタイルに塩見はこっそりと胸を高鳴らせる。 「シオちゃん、薬持った?」 「あ、はい」 「会場に着いたら、すぐに押尾先生に紹介するからね? 挨拶さえ済ませれば、いつ帰ってもいいから」 「大丈夫ですよ、たぶん。さっき薬も飲んだし」 「そうだけどさぁ……心配だわー。今日のシオちゃん、モテそうだし?」 「なんの心配ですか。そんなの戸川さんだって……」  互いに互いのあらぬ心配をしながら車に乗り込む。
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