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長いものには意味がある?
魔法使いが持っていた杖は、現代親しみやすく可愛らしく変化をとげました。
魔法少女は必ずと言っていいほど可愛らしいステッキを持っています。少なくとも昭和〜平成はそうでした。
その影響を受けた私は長いものを持つと特殊な力を得たような気持ちになります。
魔法の杖に限らず昔々から特別な人は、長いものを手にしていました。
エジプトのファラオはアンク十字を持っています。アンクとは古代エジプト語で生命という意味だそうです。
海神ポセイドンもシヴァ神も三叉の鉾を持っています。
ヨーロッパの皇帝や秦の始皇帝、聖徳太子は笏を、仙人はアガサの杖を手にしています。
世界シンボル事典で調べると、笏は支配者の権力を象徴する印と書かれています。皇帝が持っているというので“皇帝”も調べてみると、皇帝の権力は神から授かったものとあります。なるほどなるほど、笏は、神または神に近い人が持つものなんですね。
魔法使いも皇帝も持っていたこの長いもの。ただ持っているだけで権力や力を証明できるなら、みんな長いものを持ち歩きます。何か特別な力を秘めていたのでしょうか?
長いものには剣もあります。大天使ミカエルは剣を持って描かれます。ここで少し驚きが。
笏だけではなく剣も生命力や権力の象徴なのだそうです。
そうやって考えていくと、武士の刀や槍も、不良が持つ鉄パイプも金属バットも長い……。
物理的に凶器となる長いものと違い、魔法の杖は細く簡単に折れそうです。それでも恐れるのは、何か見えない力があったのかもしれません。
昔々の”杖”は現代の指揮者のタクトに繋がるそうです。言われてみれば、指揮者がタクトを振ると演奏者は楽器を構え、ハーモニーを奏でます。魔法がかかっているように見えなくもない!
オカルト研究部シリーズの伍にも笏が登場します。今まであげた”長いものシリーズ”の中で、最も用途不明な笏。
用途不明ゆえに、何なんだあれは? と想像をかき立てられます。
皇帝が手にしていた時代、きっと何か不思議な力を持っていたのでしょう……そうであって欲しい……でもファッションだったりして……。
図:世界シンボル事典 八坂書房 より
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