うそうそ時

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お参りしてるから。と言うコウさんと別れて列に並ぶ。 御朱印の書き手は2人。彼女達は、一列に並んでいるが、書き手を選んでいるようだった。 俺は、前に並ぶ女子に声を掛けた。 庭に居るのがテン様。 右の髪を結んでいるのがハク様 左がアカリ様。星合神社の三枚御朱印が揃うと恋愛成就。 コウさんは、そのテン様と何やら話をしている。 浅葱色の袴に落ち葉の銀杏が絵画のように映って美しい。 少しずつ順番が近づいて来る。 どんなイケメンだと、つい背伸びをして前を覗き込み、どちらに書いて貰おうか迷っている自分に笑えた。 前の三人がアカリ様でつかえていたので、俺はハク様の前に進んだ。 長い髪をきりりと結んで、柔らかに微笑むように、 「よくお参り下さいました」と綺麗な声で言った。 俺、赤面してない?と聞きたかった。 男に見惚れるとは。 心願成就の栞も頂いて、300円。 お礼を言って、その微笑みに立ち去り難くも列を離れた。 神社は銀杏の木に囲まれていて、杉や槇の木立が覆う。 此処には、案内図も、御守、お札、おみくじの類いも何もない。 お参りを済ませ、コウさんを探して社殿の裏手へと向かうとテン様が向こうから歩いて来た。 お辞儀をしたすれ違いざま、樹の香りがして、つい振り返ってしまった。 確かに、三人其々に美形だ。 三柱鳥居の前で、コウさんが手を挙げた。
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