花の下

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翌日、仕事が終わってから再び池を訪れたが、月も隠れ、宵闇に白い花が僅かに見えただけで、静まりかえっていた。 そして、桜を気掛かりに思いながら、数日が過ぎた日曜日の朝、出掛ける前に、コウさんを訪ねた。 公園の桜はもうすっかり花を落とし、ハナミズキに席を譲っていた。 「あれ、シュウ、なんか久しいな。次は夏越しの払いにしようかと思ってるから近隣の神社とか当たってくれる?」 「はい…」 「何?どうかした?」 「いえ…桜、もう終わってますかね?」 「ほぼほぼ?」 「ですよね。コウさん、一寸付き合って貰えませんか?」 「今から?ん、いいけど…で、何処へ?」 「野守の池…俺、月曜休みで、一寸奥まで行って来たんだけど、池で撮ったはずの絵が一枚も撮れてなくて、それ、おかしいですよね?なんか、凄く気になってて…」 「野守大夫に会った?」 「野守大夫?」 コウさんは、やれやれ…というような顔をして俺を見た。
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