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神様にお願いしたあの日から5年の月日が流れた。
直子はカフェで声をかけられた青年と結婚し、子どもを産み、育児と家事の両立の忙しさに追われ、願いの叶う神社に行った記憶もすっかり忘れて来た頃。
「あいちゃん、何描いてるの?」
リビングでお絵描きをしていた5歳の娘に声をかけた。
すると、そこには赤のクレヨンで鳥居らしきものが描かれ、その横に黄色のクレヨンでぐるぐると何かを描いているところだった。
「ママとね、はじめまして、したの!」
「え...?」
「かみさまがね、このひとママになるっていったの!」
娘の言葉に直子は言葉を失った。
「ママね、ないてたの。えーん、えーんって。でもね、かみさまとあいちゃんでね、だいじょうぶっていったの!」
なんて言葉を発したらいいか分からなかった。ただ涙が溢れ出した。
あぁ、あの時には既に愛してくれる人がいたんだ...
ずっと、見守ってくれていたんだ...
そんな思いが込み上げ、泣きながら娘を抱きしめた。
「ママ、だいじょうぶ!あいしてるよ、かみさまも、パパも、あいちゃんも!」
何も言えない。
言葉に出来ない。
直子はただ泣きながら、娘を抱きしめ、心の中で囁いた。
「神様、ありがとうございます。
こんなにもたくさん、愛してくれる人を与えてくれてありがとうございます。
ありがとうございます...」
感謝の念だけが直子の心の中にあった。
この時もまた、何度も何度もありがとうを伝えた。
今の旦那と巡り会えたこと、娘と出会えたこと、時折娘を預かってくれる両親、親になった友達同士で語らうひとときの幸せ...
たくさんの愛と幸せに包まれていることを思い出した直子は、改めて感謝した。
「この世に生まれさせて頂き、本当にありがとうございます。愛する人を愛してくれる人を数えきれないほど与えて頂き、ありがとうございます。
私は本当に幸せです」
改めて、あの日願った神社の神様へ感謝した。そして、信じていた。この感謝は必ず神様に届く、と。
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あなたは本当に一人ですか。
あなたを愛してくれる人は本当にいないですか。
私は、僕は、ずっと一人だと、孤独を感じているならば、今一度考えて下さい。
本当に一人きりで生きて来たのか。
誰の助けも得ずに生きて来たのか。
自分に問いかけてみてください。
そうすると、見えてきます。
あなたが愛されている事実。
愛があったからこそ、生きてきたこと。
誰かを妬んだり羨んだりする必要はありません。
既にあなたは、あなただけの光があり、愛があります。
周囲を見渡せば、今まで見て見ぬふりをしていた愛があります。
気付いて下さい、あなたを愛している人に。
そして愛してあげて下さい、あなた自身を。
【願いの叶う神社の神様からのメッセージ】
⭐︎おわり⭐︎
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