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「嫌じゃなかった、よね?」
思わず顔を背ける。
やっちまった。なんで初対面の人にあんなことした? どん引かれるだろ? あれ? 嫌じゃ……ないのか? でも男だろ? ちょっとまって。
うんそう、目隠しされたからどっちかわかんなかっただけ。
「やっぱり男の人はちょっと」
「どっちかっていうと俺の方が襲われた気分だったんだけど」
「それはなんていうか、顔が見えなかったからってだけで……」
「目隠しあれば大丈夫?」
「いやいや、そんな問題じゃなくて、掘るとか掘られるとか無理っつか。他人のチン○触るの無理だし」
カナデさんはちょっと眉を上げて驚いたような顔をする。
なんだ? ノーマルならしないだろ? そんな変なこといったか?
ぁ、白い歯が眩しい。なんか笑みがいやらしい。
「行為の問題なら嫌なことはしないっていったよ? それなら普通の男女関係でする範囲ならオッケー? キスとか」
いいの?
いやいやそんな問題じゃなく。
でもあの歯はもう一回くらいは舐めたいかも。
いやいや、何を考えてるんだ俺の心。ちょっと落ち着け。興奮で、息が浅い。
「あのさ、誤解されたくないんだけど、嫌がられたら萎えるんだよ。ヤリ目なら相手はいくらでもいるしさ」
自慢か? なんか癪に触るな。
「じゃあなんで俺なんだよ」
「いやまあ、あんな情熱的な目で見られたっていうか視姦されてる気分になったのは初めてだから仕返しに目隠ししたままやり返そうと、あれ? 視姦されてたのは正しいのか?」
し……視姦?
視姦といえば視姦なのか?
なんとなく恥ずかしくなって顔がまともにみれない。
「その、なんだ、嫌な気分にさせてたら悪かった」
「あぁ、別に嫌では……。最初はなんだこいつと思ったけど、まぁ、好みだったから」
「俺が?」
いっちゃ悪いが俺は特にイケメンでもなんでもない。どちらかというとヒョロめの中身長。特徴はない。鍛えてるわけでもない。
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