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「君がこのSDカードを拾ってくれて助かったよ。この中には私たちのビジネスで必要な重要な契約書が入っていてね。これがないと、私がボスにクビにされてしまうんだ」
ハンドルを握りながらビルがそう言って笑った。
そして、車で酒田青年をアパートまで送った。青年は嬉しそうに別れを告げて車を降り、部屋へと帰っていった。
ビルは車を出した。
「ロシアの連中は?」
「私たちが彼の部屋を家捜しした際、外で見張っていたようだったけど、こちらもシールズを連れていることを察知してそのまま逃げて行ったよ。私たちが立ち去った後、家捜ししたのではないかな」
「では今頃彼は……」
「部屋が荒らされたのを見てびっくりしているだろうね」
「保護しなくていいのですか」
「彼は我々CIAの保護対象ではない」
車は夜のオレンジ色の外灯の下の国道を疾走していった。
(了)
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