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アパートを通り過ぎて二〇メートルほどするとシルバーのバンが停まっていた。ティムはそれを横目に観察しながら脇を通り過ぎた。運転席には誰も乗っていなかった。後部座席の窓には濃いスモークフィルムが貼られており、中に人がいるかは不明であった。
次の十字路で左手に曲がった。アパートがある一角は、道路によって正方形に囲まれているので、あと二回左に曲がると先ほどのアパートに到着できるのだ。
その時にスマホが鳴った。フリッツからだった。突入する戦術チームはすでに準備を整えて、二ブロック離れた地点に車を停めて待機しているとのことだった。作成開始と同時に車両がアパート前につけて射撃援護などを行うという。ただし、狙撃手は配置できなかったとのことだった。この近辺は閑静な住宅街で、低層住宅ばかりであったので、狙撃ポイントがなかったのだ。
(続く)
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