(一)

2/6
前へ
/27ページ
次へ
 目当てのコインロッカーの場所にたどり着いた。五段あるなかの真ん中の段がそれだった。ティムは鍵を差し込み、捻った。扉を開けると、中にはスポーツメーカーのビニール素材のバッグが入っていた。バッグはロッカーの中にしっかり収まるサイズではあったが、余計な空間を残すほど小さくはなかった。  ティムは「たかが報告書で、大袈裟な」と呟きつつ、違和感を覚えながらも鞄をひっぱり出した。カバンには中身がぎっしり詰まっているらしく重量があった。かなり重いというわけではなかったが軽くはなかった。 (続く)
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1202人が本棚に入れています
本棚に追加