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男は部屋に置かれたグレーのスチールデスクの反対側に置かれたパイプ椅子に座った。
「ロシア人をマークしていたんだけど、あんな妙なことになるなんて思いもしなかった。一体何があったんだ?」
ティムは両手を左右に開いてお手上げポーズを作り「何も知らないです」と日本語で答えた。
「町でアラブ人らしき男性の遺体が発見された。それと関係あるの?」
「私は知りません。何の話ですか?」
男は県警の公安部外事課というところの担当者だと名乗った。主に海外からやってくるスパイを監視しているらしい。男の担当はロシア人だった。ここ一ヶ月で動きが活発になったことから、警戒していたという。
(続く)
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