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DVDが終わって理奈がキッチンに走って来た。
「あれ?大パパは?」
「香代ママのおうちに帰ったよ。」
理奈は、理を見てキョトンとしている。
「パフェのお兄ちゃん?」
先日のファミレスでは、課長モードだったけど、ちゃんと同一人物と分かったらしい。
「理奈、お兄ちゃんじゃなくて。この人は、理奈のパパなの。」
じぃーっと理を見ていた理奈が、ペタペタと理を触る。
「パパ?理奈のパパ?」
二パッと嬉しそうに理奈が笑う。
「お仕事あるから、しばらくは毎日は無理だけどお休みの日は、パパも一緒にいられるって。」
「理奈にもパパいたの?かずくんが、大パパと一緒に住んでないって言ったらパパじゃないって言われたから…
理奈にはパパいないのかなぁって思ってたんだよ。」
私が理奈と話していると理がけげんな顔をした。
「大パパ?」
「大輔さんの事、さすがに『じいじ』じゃかわいそうだから、名前と大きいパパって意味でね。母は『ばあば』も『大ママ』も嫌だから名前で『香代ママ』って呼ばせているの。」
「理奈、来るか?」
理が手を広げると理奈は理に抱っこされて
「パパだぁ。」
とご機嫌になった。
理とたくさん遊んで、大満足な理奈を見ていて、これで良かったんだろうと思う。
その夜は親子三人、狭いアパートで初めて川の字で寝た。
理は、理奈のキックを受けて痛いけれど幸せそうだった。
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