5 一緒に過ごす時間

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 今日は週末、理と過ごすようになって、初めてのお休みの土曜日。  朝、起きてすぐに支度をした私たちを乗せた理の車は、中層マンションの地下駐車場へと入っていく。 「理は、一人暮らしなのよね?」 「家族タイプの3LDKに一人暮らしだから、理奈の部屋をすぐ作れるよ。」 「3LDKにひとりって…」  本当は、誰かと住む予定あった? 「俺のじゃなくて、元々兄貴たちが実家に住む前に買ったものだから。 俺の大学卒業の頃に実家の敷地内に家を建てる話が出て、兄貴と入れ替えで住み始めたんだ。 さてと、理奈。ここがパパのおうちだよ。一度、1階のコンシェルジュに挨拶してから行こうか。」 「こ、コンシェルジュ?」 「警備とサービス兼ねているから、俺がいなくても気楽に来れるように顔を覚えてもらうんだよ。」  駐車場から1階だけ上がり、エントランスから入ると黒いスーツの男性と女性がいた。 「友野さん、市川さん。」 「宝田様。お帰りなさいませ。」 「俺の妻と娘。これからここに来る事も増えるし、そのうち住む予定だから、よろしくね。」  細マッチョの男性が友野さん、女性が市川さんと言うらしい。 「あずみです。こっちは娘の理奈です。」 「宝田様、結婚されてたんですか?」  友野さんが突然現れた私たちにびっくりしている。 「事情があって、籍はまだ入れてないけど、理奈は間違いなく娘だって分かるだろう。」 「そうですね。拓哉君以上にそっくりです。」  友野さんが、思い切り頷くので、つい笑ってしまった。 「それじゃ、よろしく。」 「「はい。かしこまりました。」」
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