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スーパーで2日分の材料を買い込み、マンションに帰る頃には、理奈は車の中でぐっすり寝ていた。
理奈をベッドに寝かせて、夕食を作る私を見える位置に理は、立つ。
「どうしたの。」
「話があるから、そっちに座って。」
リビングのソファーに促され、食事の支度を切りのいいところまで行ってから仕方ないなぁと思いつつ座った。
「相良、いや小林あずみさん。俺と結婚してください。」
理は、私の目の前に四角い箱を出した。
「先日、返事したし。いま料理の途中だよ。」
「バタバタしていて悪いけど、理奈が寝ている時にちゃんと渡したかったんだ。」
「指輪を用意してくれてたの?」
「これは6年越しの婚約指輪、あの頃、バイトした金を貯めて、付き合い出した1年の日に渡すつもりだった。」
「ありがとう。嬉しい。」
「それから、理奈を生んでくれてありがとう。理奈がいるのは、嬉しいけど、理奈がいるからじゃなく、あずとずっと一緒にいたいから、結婚するんだって事は分かって欲しいから、ちゃんと言っておきたかったんだ。」
理に抱きしめられ、指輪をはめてもらい、唇が近づいて来た時…
インターホンが鳴り、ダイニングテーブルが届いたのだった。
「ホント俺って締まらないな。」
理が、少し顔を赤らめながら苦笑いをしていた。
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