6 理の家族

2/5
前へ
/86ページ
次へ
 夕方、仕事終わりに、スマホを見ると仕事で外に出ている理からLINEが入っていた。 『うちの会社の上層部が宝田本社に、俺が結婚するのか?問い合わせしたらしくて、夜、話に来いと言われて、実家に行くことになった。 迎えに行くから、理奈と待ってて。』  心の準備が出来ていないのに…  とりあえず、理奈を迎えに行き、理奈には軽く食べさせて、買ったばかりのワンピースに着替えさせ、私は仕事用スーツのまま、メガネを外し髪を束ねたゴムを外した。  さすがに今日は、ほぼ定時で上がったらしい理が、アパート前に着いたと電話して来たので、慌てて外へ出る。 「パパ!ほっぺ、まだ痛いの?」  朝より赤みはひいて、左頰も腫れは収まってきている。 すでに湿布も外していた。  心配そうな理奈の問いに理は嬉しそうに答える。 「大丈夫だよ。さあ、乗って。」 「パパとごはん行くの?理奈、さっき食べちゃったよ。」 「どうなるか、わからないから一応軽く食べさせて来たの。」 「そうだな。理奈の食べれるものがあるか、分からないしな。」  ミニバンは、成城に向かって走り出した。  
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4083人が本棚に入れています
本棚に追加