6 理の家族

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宝田家は敷地内に和風の二階建てと洋風の二階建てが渡り廊下で繋がった建物だった。 「ただいま。」 「おかえりなさい、理。」 「お袋、親父は帰ってる?」 「えぇ。そちらは?」  私にお母様が、気づいて聞いて来た。 どうやら、私を連れてくるとは思っていなかったらしい。  理奈は警戒しているのか私にピッタリと張り付いている。 「俺の嫁さんと子ども。親父と一緒に話を聞いてほしい。」  理がそう言うとお母様は、リビングに通してくれた。 「あなた、理が話があるそうなんですけれど…」  リビングでお父様が寛いでいた。 「理、クラウン食品の重役からお前が結婚するって聞かれたが…」  新聞から顔を上げたお父様が私に気づいた。 「理、そちらは?」 「親父、お袋。俺はこの小林あずみと結婚することにした。 許可じゃなく報告だから。それと娘の理奈。」 「理、お前。子持ちの女と結婚するのか?」  お父様は、少し不機嫌そう。 そうよね。子持ちだもんね。 「親父、理奈の顔を見ても同じ事が言えるか?」  理奈を理に渡すと理奈をお父様に見えるように抱き直した。
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