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「課長って、髪を下ろしてメガネを変えるとかなり雰囲気変わりますね。
いつものバリバリ仕事している時より若くなると言うか、営業の若手くんって感じで。」
「そりゃ、仕事の時は相手になめられないようにしているからな。
『アンディ』もお客様だから、一応、髪下ろしてメガネは変えて行ったんだよ。会社近いから、他にも目があるし。
ところで佐々木さんのご主人は、どんな仕事を?」
「うちは、公務員なんです。私は、子どもが生まれるまで働くつもりだったんだけど、まだなので。
今日も主人が宴会で、暇なんで小林さんを誘ったんですけど、こんな幸せのお裾分けをもらえると思いませんでした。
課長は、なぜ私に挨拶したんですか?
黙って、小林さんにメールで違う場所を伝えれば、よかったと思いますけど?」
「あずが、佐々木さんを信頼しているのを知っているからかな。
仕事で、何かあると必ず佐々木さんを頼っているだろ?
俺のせいで黙って退職させて、これで縁が切れたら、寂しいだろうし。」
「信頼していただけて、嬉しいです。私以外でこの事を知っているのは?」
「あずが相手なのは、うちの会社の社長と部長だけだな。
あずの退職の話で部長にだけは、直接話さないとならなかったのと、社長があのほっぺたが腫れた時にうちの親に確認取られたから。」
「私、我が社の重要機密を知ってしまったんですね。」
「だから、あずが辞めるまで内緒で頼む。変なやっかみとかあると困る。」
「私、課長に嫌われたくないですし、こば…あずみさんと友達でいたいから、黙っていますね。
結婚式やれば、広まるでしょうけど。」
「まあ、その時はもうひとつ、びっくりするだろうけど。」
理と佐々木さんの話を黙って聞いていて、理が私の事を色々と考えてくれているのが、嬉しかった。
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