金色の弓

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お父さんは写真家で1年の大半は撮影で家にいない。よくわからないけど世界の危険な場所にも行って写真を撮ってるらしい。 「美憂、その様子じゃぁ~まさか中学に行ったら吹奏楽したくなったんじゃ?」 「えっ?わかんないよぉ~ただ凄くて感動した」 「まっ、そうだよな、今はそっちが先だよな?でももし美憂はそっちに進むとなったら大きな向かい風に当たらなきゃならないけどな…」 そうだ、私はこれから県のバスケの強化選手になる予定だと先生に言われている。中学に入ったらバスケをする。もしバスケをやめてとなると大変な騒ぎになる。 お父さんの話は続いている。 「美憂、お父さんは美憂が悩んでいる時に側にいられないかもしれない。だから言っておくね。美憂が今やりたい事を選べばいい、未だ小学6年生でやりたい事はわからないかもしれない。ただ、もしそれをこの先、反対されたり困難があっても前向きに考えなさい」 「前向きって?」 「鳥も飛行機も高く飛ぶには空気の抵抗がなきゃ飛べない。だから邪魔してくれてありがとう!向かい風ありがとう!お陰で高く飛べますってね?それくらいの気持ちをもって越えられたらきっとそれは成功する」 「ん~、何だかわからない」 私は本当によくわからなかった。
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