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コンクール参加曲が発表になった。
ピーク・グレーアム作曲
「ハリソンの夢」
私達は固まった…
中学生が演奏曲ではない…一歩間違えば雑音にしか聞こえない…ただ、成功すれば…間違いなく日本一になれる…先生は私達に賭けている、そう感じた。
一方、ライバルの華ちゃんの学校は「トゥーランドット」と情報が入った。一番優勝確率が高い曲でもある。守りに入っている…。
そして私達の楽曲を聞いて歓声を上げたとも聞いた。それを聞いて闘志が湧いた…。
私達の学校は順調に地区予選を勝ち抜いた。勿論、華ちゃんの学校も…。
ある日、家に帰るとお母さんが悲しそうな顔で私に言った。
「華ちゃん、楽器の運搬中、大怪我をしたって…」
「えっ!コンクールは?」
「コンクールどころか、この先弓を握れるか…」
私は直ぐにでも華ちゃんの所に行きたかった。でも2年前、華ちゃんに言われた言葉が蘇った。行く事が出来なかった…。
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