金色の弓

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表彰式…私達は金賞だった…それもあのTWLで演奏が出来る1位だった…。 皆で泣いた、先生も泣いていた。 帰りのバスに乗り込む時、私は部長として応援に来て下さった方々へお礼の挨拶をする。全員整列しその方々と向かい会って私が前に出た時、見渡しても来ているはずのお母さんがいない…。それでも私は動じる事なくお礼を述べた。バスに乗り込もうとした時、華ちゃんのお母さんに呼び止められた。 「美憂ちゃん…お父さんが…」 お父さんが、危険な場所での撮影で事故に合い亡くなったと…お母さんに連絡が入りそちらに向かったと…外国だからお父さんの亡骸とお母さんが戻るまで私の家にいなさいと…。 私は何が何だかわからなかった…。 あっ!弓…。 切れるはずのない弓が切れた…。 あの時…。 お父さんの声が聞こえた時…。 涙だけ静かに流れていた。 華ちゃんの家に着いた。 「華ちゃん、ありがとう」やっと声を出してお礼を言った。お父さんのショックで他に何も話せなかった…。 「美憂…」華ちゃんはそれだけ言って近くにいてくれた。 お父さんの亡骸が戻り一通りの事が済んだ。 「華ちゃん弓返すね」 「美憂が、使いな!私はもう…」 「華ちゃん…」 「私あんな事言ったけど、今では良かったのかと…。美憂が私の弓で私の夢叶えてくれた。」 華ちゃんは悲しそうに笑っていた。
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