金色の弓

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「美憂…まだ演奏あるよね?最後までやり遂げなさい。お父さんに、恥じぬ様…」お母さんに言われた。 1ヶ月後、TWLの演奏が待っている。お父さんと一緒に聞いた、そして私が吹奏楽をやりたいと思った始まりの場所。 あの時、お父さんが好きな曲をやってたと…。ちゃんと聞いてなかった。そうだ!亮君に聞こう! 亮君に連絡をした。 「おじさんが好きだった曲?HALUのVS~知覚と快楽の螺旋。おじさんが東野圭吾が好きだったでしょ?あのドラマのオープニングテーマ曲」 私は先生にその曲をしたいと頼んだ。そして、本来エレキベースで弾く曲だが難しいのを承知でコントラバスで弾かせてくれと頼んだ。お父さんの好きな曲を、華ちゃんの弓で弾きたかったから…。 前日、私は丁寧に弓を手入れした。明日でこの弓を使うのは最後。華ちゃんに渡す…。 私の夢を叶えてくれた弓、今度は華ちゃんの夢を、叶える弓。 私は華ちゃんのお母さんに聞いていた。又音楽が出来る可能性はゼロではないと…。 そしてお母さんに言った。 「お母さん、私のコントラバスの演奏は明日が最後だからね」 「えっ!高校で続けないの?」 「私はお母さんの子だから…ミュージシャンになりたくなっちゃった。だから軽音楽部に入ってベーシストになる」 「又色々いわれるよ?」 「大丈夫、向かい風は得意だから」と返事をした。
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