金色の弓

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家に帰ってお母さんに先生達を説得したと言った。 お母さんはちょっと驚いて、 「そう、よく頑張ったね」と言ってくれた。 「うん、大変だった」私は苦笑い。 「お母さんね、あれから考えたのよ、昔と言うか前にね美憂のお婆ちゃんが私に言ってくれた事…」 「なに?」 「お母さんがお父さんと結婚したいって言ってお爺ちゃんに大反対されて…写真家なんてどうやって食って行くんだ!って…そうしたらお婆ちゃんが部屋で泣いてる私の所に来て、自分から諦め切れないものを残してたんじゃ本当の幸せを感じる事は出来ないって…だからお爺ちゃんは私が説得してあげるからと…」 「へぇ、じゃあお婆ちゃんのお陰で結婚できたんだ」 「そう、だから今度は私が美憂の為に学校にお願い行く番かなぁって覚悟してた…偉いね美憂…」 お母さんは優しく微笑んで誉めてくれた。 「あっ!後ね、お母さん諦めた事あるんだよ?」 「なに?」 「お母さんね本当はミュージシャンになりたかったの」 「えっ?じゃぁ我慢しちゃったの!今幸せじゃないの?」 「違う、それは自分で諦め切れた、お母さんの夢がお父さんの夢と一緒になったから…だから美憂が産まれたの」 何だかお母さんの話を聞いて、お父さんもお母さんもそして自分の事も大切に思えた。
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