金色の弓

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家に帰ってからお母さんにお年玉の通帳を見せてと頼んだら「楽器?」と聞かれた。 「うん」 「華ちゃんのお母さんに聞いたから、覚悟はしてるよ」お母さんは淡々と言っている。 華ちゃんとは、亮君の妹で、だから私の幼馴染みで同じ年、華ちゃんも亮君の後を追って吹奏楽部に入っている。ただ、私と違うのは小学校の時から吹奏楽クラブに入り既に技術を身につけている。親同士も仲がいいから情報は入っていた。 「心配しなくていいから、でも必ずコンクールメンバーに選ばれてね」とお母さんは言ってくれた。 コンクールメンバー…そうだ!日本一の前にメンバーに選ばれなければならない…。 一気に不安が押し寄せた。
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