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交番に向かう道すがら、
他人からの眼差しが眩しく感じるのは、この
でっかいプードルの、如何ともし難いオーラという
ものであろう。
すると小学校の高学年ぐらいのおしゃまな
ツインズがタタタッと駆け寄ってきて、
「カワイイ〜〜このコのお名前何ですか?」と
合唱する様に聞いてきたので、
咄嗟のことで困った辰三は思わず、
「え?ええーーえっっとーぉは、初美っていうの。」と切り返したのであったが、ツインズは何だか不服そうである。
「ありがとうございましたー」と礼儀正しいツインズ。踵を返すと同時に、1人がもう1人に
「きっとローマ字で書くんだよー」と
慰めるように耳打ちしている。
『てか私の本当の名前はー〇〇〇〇◎〇〇!』と
ハスキーな高音ボイスで優雅に吠え上げる、
プードル犬。
そこへ
『おっと〜いい声だね〜お嬢さん!何処かで会った
よね俺たち〜覚えてるぅ?』と、ご近所の駄犬
まさおに馴れ馴れしく、言い寄られる始末である。
『ぃやんっあたくし犬は苦手っす!
ごめんあそばせーっつうの〜〜』と、走り出した
美女プードルに引っ張られるように
同じく走り出した辰三、尚も追いかけて来る、
駄犬まさお。
次の瞬間、『キャーーーぁああー』と叫び声が!
『手がーあたくしの手がぁ〜ぁ』と
ドサクサ〜っと前のめりに倒れ込むプードル。
「お、おいっどうしたんだ〜まさか痛風じゃあるまいなっ、と、とにかくちょっと立ってみなっ」
『つ、痛風とはー犬に向かって言う?と、とにかくむっむ無理だわっ激痛でとても歩けないみたいよ‥』
「しかたねえ抱っこしてやるからよ」
『こんな場面で、こんなおじさんに依る
お姫様抱っこなんてーあんまりだわ神様〜ぁ
お願い助けて〜ぇ』
デカ白プードル嬢を抱き上げた辰三が途方に暮れて
ふと見上げると、なんとこんな所に新しい病院が!
その名も「シャレオツ☆動物診療所」とな?
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