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カイ「この前の健康診断、要再検査だって言ったよな?」「さっき病院行ってきたんだけど」
ビビ「あーそういえばそんなこと言ってたわね」「どーだったの?」
カイ「いや・・・なんか・・・」「このままだと余命1,2年だって・・・」
ビビ「えっ!?」「マジで言ってんの!?!?」
カイ「うん・・・」「なんかやっぱりナントカ?の数字がおかしくて」「このままだとあと余命数年ですよって・・・」「どうしよう・・・まだ俺30歳なのに」
ビビ「うそ・・・」
カイ「ビビ・・・」「やっぱ・・・ビビもショックだよな」「俺もまだ現実として受け止めきれなくて」「でもさ、まだ30なんて若いし、治療すれば」
ビビ「別れようか」
カイ「はっ?」
ビビ「だってあなたもったいないからって、生命保険ちょっとしかかけてないじゃん」「しかも命は助かったとしても、介護になるかもだし」「私まだ29歳だし、そんなのまっぴらゴメンよ」
カイ「そんな・・・」「こういうのはさ、夫婦で乗り越えていくもんじゃないのか?」
ビビ「バカじゃないのw どこにそんなドラマみたいな夫婦いんのよ」「いまどき他人のために尽くすなんて、夢見すぎでしょw」
カイ「お前そんなやつだったのか「たった今余命宣告された人にいうセリフかよ!?」「信じられねぇ」
ビビ「信じられなくて結構」「そんなドラマみたいなことして、自分の人生台無しにするなんて」「そっちのが私は信じられないわよ」「っていうことでさっさと別れましょ」
カイ「・・・わかったよ」
俺はビビのあまりの冷たい態度っぷりに、気持ちが覚めてしまい、
離婚に即同意した
翌日には速攻出て行ったビビ
その豹変ぶりに、だんだん怒りがこみあげてきて、
なんとしてでも生き延びて、ビビよりも良い女と結婚するぞと、
めちゃくちゃ燃えてきた俺
とりあえずはどういう病気なのか、ちゃんと聞くために再び病院へ
よくよく話を聞くと、今はメタボの数値がヤバいだけで、
痩せなきゃ数年で命に関わることもありますよとのことだった
全ては俺の早とちりだったということだ
特に俺はそのことをビビには報告せず、必死に運動や食事制限をし、
マッチョな体形になるまでに痩せた
半年後
※カイとビビの共通の友人、レミへLINE
カイ「よぉ元気にしてる?カイだけど」「高校の部活の飲み会、幹事の連絡先、レミの連絡先書いてあったから」
レミ「え?カイ?」
カイ「そーに決まってんだろw」
レミ「カイ病気大丈夫なん・・・?」
カイ「え?病気??」「俺別に病気じゃないけど」
レミ「え、だってビビが、カイ病気で余命宣告されたって」「病院入院してるのかと思ってた」
カイ「あーそんなことになってるのか」「なるほどね」
レミ「え、まだちょっとよくわかんないんだけど」「カイとりあえずは元気なのね?病気でもないのね??」
カイ「うん、元気だよ」「ダイエットして昔よりだいぶ痩せて、かえって健康だよ」
レミ「なんだ良かった、病気だって言うから心配してたのよ」「お見舞い行こうにもビビ病院知らないっていうし」「しまいには離婚したって」「ん?じゃあなんで離婚したの??」
カイ「あーそれね」「最初再検査だって病院行ったんだけど、俺の勘違いだったの」「まぁちょっとメタボがヤバいってだけで」「でもアイツそん時すっごい冷たい態度っていうか」「まるで俺のことなんか考えてもない感じに気持ちが覚めちゃって」「だからこのことビビに言ってないんだ」
レミ「そっか・・・そうだったんだね」「ビビもう死んでんじゃない?とか言ってて」
カイ「アイツそんなこと言ってんのかよ」「信じらんねぇな本当!離婚してよかったわ」
レミ「でも元気で本当良かったよ!」飲み会で会うの楽しみにしてるね!」「高校・・あっ・・・」
カイ「ん?どした?」
レミ「いやあの」「レオ先輩のこと知ってる?」
カイ「え?あの結構チャラい先輩だろ?」「何?なんかあんの??」
レミ「ううん、私じゃなくて」「・・・その様子だと知らないんだね、カイ」
カイ「へっ?なにが?」
レミ「ビビ、今レオ先輩と付き合ってるんだって」
カイ「は?まだ俺と離婚して半年じゃねーか」「いやまぁ俺は全く未練ないけど」「いいじゃねーか、上等だよ!俺が元気にしてる姿をみせつけてやるっ!」
レミ「あの・・ビビどうやらまだ離婚する前からレオ先輩と不倫してたっぽくて」「あっさり離婚できてラッキーって言ってたの」
カイ「は!?なんだよそれ」「あっったまきた!!!」「普通に元気な姿見せるだけじゃ気がすまなくなってきた」「なぁ仲間内だと、俺もう死んでる認識なわけ?」
レミ「いやビビがそう言ってるだけだけど」「でもこんな元気でいるとは全然みんな思ってないかも」
カイ「なるほどね」「レミ、ちょっと協力してくれない?」
レミ「うんいいけど、何するの?」
カイ「ビビとあんまり仲良くない部活一緒だった人いる?」
レミ「うーん、ジュンとかかなぁ?」
カイ「ビビとLINE交換とかも当然してないよね?」
レミ「いや話してるの見たことないし、知らないと思うよ」
カイ「じゃあさ、ビビのアカウント教えて?」「ちょっとジュンになりすまして連絡取る」
レミ「え!?」「そんなことして大丈夫なの!?」「バレない?」
カイ「まぁバレたらバレただし」「どうしてもビビにガツンと一発ぶちかましたい!」
俺はビビへジュンとして連絡をとることにした
最近スマホを変えて、アカウントも変えたからバレないだろ
カイ「ビビ?久しぶり!ジュンだけど」「急にごめんね」
ビビ「ジュン?」「どうしたの急に」
カイ「いやちょっと離婚したって聞いてさ」「実はちょっと俺、ビビずっと気になってて」「それこそ高校のころから」「今付き合ってる人とかいるのかなって」
ビビ「あーそうなの?やだモテモテじゃん私w」「離婚したのは事実だよー」「カイ、必死になってすがってきたけど、キモくてw」
カイ「・・・そうなんだ」
ビビ「そーなのよー2人で病気乗り越えようとかw」「ドラマ見すぎなんじゃないのってww」「バカな事ばっか言って現実見てなさ過ぎでさぁー」
カイ「ふうん」
ビビ「そーなのよー!こっちの人生まで巻き添えになりたくないっつうの」「あーでもぉ・・・今レオ先輩と付き合ってて」「だから今はちょっと無理かな」
カイ「え?レオ先輩って結婚してるよ?」
ビビ「は?うそでしょ?」「離婚したって言ってたわよ」
カイ「いやまだ離婚の話し合いしてるとこだって」「奥さんのお母さんと、俺の知り合いが仲良くて」「もめてるらしいぜ?」「養育費?慰謝料?が折り合いつかなくて」「つか大丈夫?ビビ今不倫の状態だし、慰謝料とか請求されんじゃないの?」
ビビ「えええ!?うそでしょ」「慰謝料とか超めんどうくさいじゃん!」「マジか~最悪だわ」
カイ「わざわざそんなめんどくさいやつと付き合わないで、俺にしときなよ」「俺今年収1000万超えてるし、結構見た目も若いって言われるし」
ビビ「え?そうなんだ!」「ね?今度の飲み会来るの?」
カイ「あぁ行くつもりだよ」「ビビにも会いたいし」
ビビ「うん・・・私も楽しみにしてる」
その後ビビはちょろく俺のワナに引っ掛かり、
ラブラブなLINEを送ってくるようになった
そして数日後
ビビ「ジュン!ゴメン!」「このアカ、レオ先輩にバレちゃった」
レオ「おいてめー人の女に何ちょっかい出してんじゃねーよ!!」「ただじゃおかねーぞ!!!」
カイ「あれ?だってレオ先輩、まだ離婚されてないですよね?」
レオ「えっ・・・なんでそれを」
ビビ「やっぱそうなんじゃん!」
レオ「いやまぁあの、もう離婚してるようなもんだよ」
ビビ「嘘つき!もういい!」「私ジュンと付き合うし!」
レオ「えっこいつジュン?」
ビビ「高校の部活で一緒だったジュンだよ」「知ってるでしょ」
カイ「・・・ジュンではないですよ」「俺はジュンじゃなくて、カイ」
ビビ&レオ「は?」
カイ「騙されやす過ぎでしょww全然バレねぇからネタ晴らしするわw」
ビビ「え、カイってあのカイ?」「し・・死んだんじゃないの・・・?」
レオ「え、お前の元旦那かよ!?」「死んだって言ってたじゃねーか」
ビビ「そうよ、余命宣告されてたし」「死んだはずよ!」
カイ「そうだよ、死んだんだよ」「でもビビがあまりにもムカつくから、あの世から舞い戻ってきたんだよ」「まずはこのスマホに不正アクセスして、電子マネー使いまくってやるからな!」
ビビ&レオ「ひぃぃ!ナムアミダブツぅ!!」
そこで速攻ブロックをくらった
なんかこんなアホなやつらを相手にするのが馬鹿らしくなり、
もうそれでビビへの仕返しは終わりにした
その後高校の飲み会に参加し、2人に声を掛けたら、
悲鳴をあげて逃げて行ったww
まだ俺が死んでると思ってるらしいw
ちなみに俺はこのやり取りがきっかけで、今レミと付き合っている
実は高校のころから憧れてて、こんな風に付き合えるなんて幸せ過ぎる!
ビビにちょっと感謝しなきゃだなw
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