あいつとわたし

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「また神田か! おまえ、しょっちゅう うちのクラス来るな!」 わたしが3組の扉の前で ふんぞり返ってたら、 後ろからこのクラスの担任、 早川(はやかわ)先生が とってもあきれた様子で 声をかけてきた。 「しょっちゅうじゃ ないですよー、 週に3日ぐらいです!!」 「・・・・・一週間は5日しか ないのに3日もきてたら 確実にしょっちゅうだろ。」 何しにくるんだ、と 先生はものすごく めんどくさそうな顔。 自分のクラスに他クラスの 生徒が来て嫌な顔する 教員って何?? わたしがフンとそっぽ向くと、 一之瀬が早川先生に声をかけた。 「先生、 こいつ、うちのクラスの 掃除がしたいから、 こうしてしょっちゅう 来るんじゃないんですか?」 一之瀬はそう言って こっちをちらりと 目の端で見る。 そんでもってニヤリ。 一之瀬よ、 それ、流し目っていうの 知ってますか!! こういう時の一之瀬は 怖いほど妖艶。 深く澄んだ黒い瞳が、 濡れた唇が、 凛とした雰囲気が、 すべてが一之瀬の不思議な 艶やかさを引き立てる。 ・・・・これだから無自覚の イケメンは怖いですよ!! ちょっとは色気を 自粛してもらいたいね! (てか、だからむしろ 分けてほしい←)
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