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file1あってはならない落としモノ
公園のトイレで我が子を産んだ。
水商売をしている私にとって望まない妊娠で、どんどんお腹は膨らんでいくので仕事にも支障がでてしまう。
だから、子どもを捨てた。
何よりも、誰の子かもわからない子どもを産み、育てるという自信が全くといっていいほど無かった。
家に帰って、すぐベッドに入る。
もし、あの子を捨てたことがバレたらと嫌な考えばかり頭に浮かぶ。
女の子だったあの子を育てたら、
どんな大人になるのだろうかと今更
後悔する節もある。
玄関の呼び出し音が鳴り響く。恐る恐る玄関に向かい、ゆっくりとドアを開ける。
すると、目の前には幼い少女がまだ生まれたばかりであろう赤ちゃんを抱えていた。
「お母さん、落とし物ですよ。」
少女が抱えていた赤ちゃんは、私が産み捨てた子どもだった。
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