眼鏡とホテルキーホルダー 

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お金を払って買ったホテルキーホルダー。俺様は、様々なグッズの中から、迷わず、悩まず、これを選択した。だけれど、三色あるホテルキーホルダー。俺様は、二つの色違いで、少々戸惑いを感じた。俺様は男だ。三色の中で、一つの色だけは、選択肢から、外した。残った色。黒色と鼈甲色。俺様は、金色の文字か、白色の文字かで、二者択一に絞り込んだのである。今、想えば、何故、購入したか、解らない。好きだから、キーを付ければいいのに、付けても、何故か急に外したくもなる。不安定な気持ち。時には、捨ててしまえば、楽になるんじゃなかろうかなんて。そんな事をいつも。けれど、俺様は男だ。キーホルダーくらいで、真剣に悩んでる場合ではない。真っ先に、頭の治療を、行わないと。男が終る。あれから数年。選んだのは、鼈甲色なのだけれど、俺様は、眼鏡のフレームを、選びに行った時にも、同じ現象が起きていた事に気づいたんだ。黒色か鼈甲色。その時は、悩んだのだけれど、選択したのは、やはり、鼈甲色。正直、選んでいる最中に、あの眼鏡柄じゃねぇかと、またしても戸惑いから、離れられなくなってしまった。しかしだ。それを、選んでくれたのも、勿論、女性。化粧品のポスターに載っていそうな、美しい女性。俺様も、男なもんで、気になりだしたら、そんな行動に、変わってしまう。あまり、詳しい事は、述べないが、たまに、顔が、にやけてしまう事もある今日この頃だ。本音を、言えば、切りがない。なぜか、まぐれみたいな事が、良く起きる人生なんだ。正直、新幹線の中で、黄色いロングコートの女性も、脳裏にしっかり焼き付いている。この場で、文字に入力が、可能なのならば、色んなシチュエーションを、思い描けるんだけどな。だけど、そんな事も、現在では、過去話。俺様は、未来話を、制作しないといけないんだ。進みたい。とにかく進みたい。それなのに、進むと、戻ってしまう現象ばかり。ホテルキーホルダーには、あの女神らしき名前が書いていて、いまだに、女神なのか、女神らしき女性なのか、ただの女性であるのか、その事だけを、眼鏡で女神を、感じている。正直どうだろう。その女神が、あの時の女性ではないのなら、女神は女神ではない。俺様は、あの時の女性が女神だと感じたから、この小説を制作したんだ。女神らしきなんて、あやふやな言葉は、本当は、使いたくはないけれど、これが俺様の逃げ道。なのかもしれない。 
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