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レギアスの胸に顔をうずめて背中に腕を回し、布地を強く握りしめた。
「レティシア……」
レギアスは心から愛おしむように私の名を呼ぶと、優しく、強く抱きしめてくれる。
私はその声と温もりに安心してしまって、抑えていた涙が溢れ出すのを止められなかった。
「ごめ、ん、なさい……泣くつもり……じゃ、なかった、の……」
「いいんだ。俺の前でだけは涙を我慢しないでくれ。お願いだレティシア。……不安にさせてごめん。もうレティシアが嫌だと言ってもずっとピッタリくっついて離れてあげないからね? 覚悟しなよ?」
レギアスは両手を私の頬に添え、私の目をじっと見つめて言い聞かせるように言葉を紡ぐと、親指で涙を拭いながら唇を重ねた。
そっと触れるだけの甘いキスに胸が苦しいほど締め付けられる。
「レギアス……もっと……」
「また止まれなくなるからダメだよ」
そう言って私の首元に顔をうずめてしまった。
なんか似たようなセリフばかり聞いている気がする。何気に我慢しているのよねレギアスって。
私は彼の体を押してなんとか空間を作ると、唇を奪おうと体を伸ばした。
身長差があり過ぎてどんなに背伸びをしてもレギアスがかがんでくれなければ唇に届かない。
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