献花

3/7
前へ
/512ページ
次へ
 さらに30人程がいま国内外に派遣されて任務をこなしているらしく、戻りしだい挨拶に来るということだった。  思ったより人数が多くて驚いてしまったけれど、これから情報があれば逐一報せてくれるというから安心だ。  皇帝の暗殺はできないのか聞いてみたら鋭意努力中なのだとか。もうすでにやる気満々だった。  殺るか殺られるかの状態でこちらが負けたということなのね……  夜は何もせずレギアスの腕に抱かれて眠ることができた。  疲れと愛しい温もりのおかげですぐに寝つけたし、レギアスも今日のことを考えてさすがに気をつかってくれたようだ。  聖印があれば、ただの祝福の花びらでも睡眠時間は普通よりずっと削れるのだけど、レギアスの相手をしていたらしっかり長時間眠らないと身が持たなくなってしまった。  レギアスはたいして眠っていないらしく、枕元の魔術書が見るたびに違うものに変わっている。ついてきた竜騎士に頼んでソーマからも魔術書を持ってきてもらって、さらに探し集めるよう依頼していた。  国葬は基本黒い衣装で参列するけれど、私は伝統的な皇主の祭祀服で一人白っぽい。  否応なく目立つわね……  着替え中色々と考えていたら緊張してきてしまって、近くで椅子に座りながら興味深そうに支度を観察しているレギアスを見て心を落ちつかせた。
/512ページ

最初のコメントを投稿しよう!

157人が本棚に入れています
本棚に追加