献花

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 出会った時の黒い騎士服を着ているレギアスがかっこよくて、落ち着いたはずなのに顔が熱くなる。  レギアスが隙を見て私の手を握って「レティシア、綺麗だ」とか色々言ってくるからますますソワソワするのに、ずっと手を握っていたら安心して、最終的にはほどよく落ちつくことができた。  しばらくして、私は最初の花を棺に手向けていた。  皇宮前広場の国葬会場は人で溢れ、私は注目を一身に浴びている。  棺の中の両親は二人とも綺麗に化粧が施され、最後の記憶とは違うとても穏やかで美しい顔で。  私はなんだか安心してしまって、両親との幸せな記憶が次々と心に浮かび涙が溢れて止まらなくなってしまった。  こんなところで……どうしよう、脚に力が入らない。  崩れ落ちそうな私を近づいてきた黒い影が受けとめ、私の頭を胸に押しつけた。  ああ、これはレギアスの匂い。  私は涙を止めるためと状況を誤魔化すため、集中状態を作り出して自分ができる最大規模の祝福の花びらを降らせることにした。  女神と契約した国土の端まで意識を走らせ、皇国の隅々にまで届くように術式を構築する。  雲の切れ間から数条の光が差し込む皇都の空を、金色に薄く光る無数の花びらがゆっくりと舞い落ちていく。  神々しい光景に民衆は声を失い、涙を流して私に向け祈りを捧げた。
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