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この機に乗じて刺客が入り込んでいるかと思ったけれど、近くにはまだそれらしいものはいないようだった。
まだ初日だということもあるし、この能力を知って悪意のない刺客を送り込んでいることも充分考えられるけれど。
式典初日の役目が終わると城に戻って昼食を取り、防衛担当の者たちを執務室に呼びつけた。
花びらが持ち帰った情報を元に敵対者リストを作り、摘発を逃れた者が潜んでいるアジトの大まかな位置を伝える。
そんなことをしているとすぐに夜になり、いち早く駆けつけてくれた賓客をディナーの席でもてなして一日が終了した。
これから賓客への対応が一気に増えると思うとクラクラする。
「レギアス、ありがとう。今日はたくさんフォローしてくれて」
私は寝支度を終えてベッドに潜り込みながらレギアスに感謝を伝えた。
「今日のレギアスは完璧な王子様だったわ。みんなレギアスに興味津々だったから楽だった」
「レティシアが疲れてるみたいだったからね、頑張ったよ。ご褒美、期待していいよね?」
隣に横たわるレギアスが半ば覆いかぶさり、私の髪をすくって口付けながら色っぽく微笑んでいる。
「え? あ、うん、もちろん……。あの、でも今夜はね、お願いがあるの……」
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