皇主の憂鬱

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『主様、少しおふざけが過ぎるんじゃありません? 後が大変になりますわよ?』 「だって、レギアスが怖いからって言いたいこと言えないなんてこの先嫌になっちゃうわよ。一生そばに張り付かれる予定なんだから。それに……怒ったレギアスも好きなの、私」 『はあ、私にはさっぱりわかりませんわ……あんな恐ろしいものを怒らせて喜ぶなんて……主様はさすが大物ですわ』  レギアスたちの方に目を向けるとどうやら人型のまま剣で戦うようだった。  レギアスの剣術や槍術も竜王様の直伝なのかしら……まあ何千年も生きていたら人型での戦い方も一流以上になれるわよね。  うん、速すぎて動きがさっぱり見えない。  ただレギアスが劣勢なのは表情や姿勢でだいたいわかる。  聖印で同じだけ強化されたら竜王様の方が強いのね。まあそれが普通だし、レギアスはまだ年齢的に伸び代があるから強い師匠がいる方がいいわよね。  レギアスの剣が弾き飛ばされ、ヴァルグに剣が投げられる。  次はヴァルグがしごかれる番らしい。  人化できるようになったばかりのヴァルグは当然剣技なんて見よう見まねでしかできなくて、一方的に打ち付けられて泣きそうになっていた。  いいなぁ、私も今度修行を付けてもらいたい……  でもそんなことしたら師匠のレイノルズ将軍が拗ねるかしら……
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