夢遊

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「レティシア、レティシア! 朝だよ? ご飯できてるよ? いい加減起きろ」 「や、ねむい……」 「起きないとまたさっきの続きするよ? いいの?」 「あ、や……、やん、あっ、あっ……」 「はあ、やっと起きた……ってレティシア?」  眠い……全然足りない…… 「レティシア? トイレでも行くのか? ……ちょ、そんな格好で部屋から出て行こうとするな! レティシア!!」 「もう、うるさい……」  私は三本の細長い結界を交差させてレギアスを床に縫い留めた。  そしてひたすら体の求めに応じて歩を進めた。 「陛下!? どちらにいらっしゃるのですか? 陛下??」  ハンナの声が聞こえる……でも行かなきゃ。 「猊下、陛下がドアの前に! ……あ、陛下!!」 「レティ!? どうしたんだい?」  衛兵の手で少し開けられたドアをすり抜けて部屋に入る。  ソファに座りながらコーヒーを飲んでいたサラが慌てて立ち上がった。  私は引き寄せられるようにその胸に飛び込んだ。  ああ、癒される……………… 「レティシア!!」  結界をなんとか壊して俺はレティシアが入っていった隣の部屋に駆け込んだ。  目の前ではサラディールとレティシアが抱き合っている…………というか真っ赤になって呆然とするサラにレティシアが一方的に抱きついていた。
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