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唇を舌でなぞられながら何度も吸いつかれ、何度目かには舌が口の中に侵入してくる。
「やっ、んっ、ンんっ……んーー!!」
なんとか逃れようと足掻いたけれどレギアスの体はビクともしない。
これってまた私、拐われてしまうのかしら……
「ん……んっ、んぅ……」
でもどうしよう……キスが気持ちいい……
口内を舐め回されて頭の中は混乱の極地に陥りながらも、わけの分からない心地良さに体がどんどん馴染んでいく。
私はいつの間にか抵抗をやめてただ彼にしがみついていた。
ずいぶんと長い時間がたった気がしてようやく唇を開放されると、満足げにこちらを眺める銀の瞳が目に入る。
よく見ると銀のなかに細かな紫が散りばめられてキラキラと美しい。
こんな珍しい瞳の色にまた会えるなんて……
妖しくも美しい瞳を見つめてなんだかポーっとしている自分を自覚し、慌てて気持ちを立て直した。
「あ、あの、やめてください!」
「なぜ?」
レギアスは薄笑いを浮かべながら首を傾げた。
なぜって、なぜってなんなのー?
もしかして顔がいいからって今まで好き放題して文句も言われたことが無いのかしら?
それ以前に怖くて誰も逆らえないのかも……
「た、助けていただいたとはいえ、婚約者でもない見ず知らずの殿方とこっ、このようなっ!」
私って助けられたのよね? そう思っていいのよね??
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