皇女とドラゴンに乗った誘拐犯

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「嫌か?」 「いっ、嫌です!」 「そうか……」  そう言うと、レギアスは突然強く私の手首をつかみ、玄関口の方へ引っ張っていく。 「痛っ……な、なにを!」 「お前は俺の妻にする」 「え!?」 「もう俺のものだから、諦めろ」  なんなの? なんで私にはこんな男ばっかり寄って来るの!? 人をなんだと思っているのよ!! 「や、嫌です! 嫌っ!! 離して下さいっ!」 「嫌がられると燃えるって本当だな」  レギアスは妖しく微笑んでこちらを見た。  ちょ、本気なの!? もしかしてこれからこの中で犯されてしまったりするの!?  私は全身から血の気が引いていった。 「カチッ」  レギアスがドアの前で指を動かすと鍵が開いた音がした。  しっかりとした造りの山荘なのに……いったいどんな魔術を?? 「あ、あのっ! ……わ、わたくしは、この国を離れるわけにはいかないのです」 「俺がこの国に住めばいいか?」 「えっ!? で、では……わたくしのために……戦って下さいますか?」 「妻のために戦うのは当然だ」  …………  この人の服、ソーマ王国の通常の騎士服とは色違いで装飾も少し豪華だ。  少し前に就任した竜騎士団長は恐ろしく強くて残忍で、侵略軍を単騎で皆殺しにしたとか噂を聞いた。       なんでも漆黒の悪魔って呼ばれているらしい……  この人なんじゃない?
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