157人が本棚に入れています
本棚に追加
「嫌か?」
「いっ、嫌です!」
「そうか……」
そう言うと、レギアスは突然強く私の手首をつかみ、玄関口の方へ引っ張っていく。
「痛っ……な、なにを!」
「お前は俺の妻にする」
「え!?」
「もう俺のものだから、諦めろ」
なんなの? なんで私にはこんな男ばっかり寄って来るの!? 人をなんだと思っているのよ!!
「や、嫌です! 嫌っ!! 離して下さいっ!」
「嫌がられると燃えるって本当だな」
レギアスは妖しく微笑んでこちらを見た。
ちょ、本気なの!? もしかしてこれからこの中で犯されてしまったりするの!?
私は全身から血の気が引いていった。
「カチッ」
レギアスがドアの前で指を動かすと鍵が開いた音がした。
しっかりとした造りの山荘なのに……いったいどんな魔術を??
「あ、あのっ! ……わ、わたくしは、この国を離れるわけにはいかないのです」
「俺がこの国に住めばいいか?」
「えっ!? で、では……わたくしのために……戦って下さいますか?」
「妻のために戦うのは当然だ」
…………
この人の服、ソーマ王国の通常の騎士服とは色違いで装飾も少し豪華だ。
少し前に就任した竜騎士団長は恐ろしく強くて残忍で、侵略軍を単騎で皆殺しにしたとか噂を聞いた。
なんでも漆黒の悪魔って呼ばれているらしい……
この人なんじゃない?
最初のコメントを投稿しよう!